平成10年7月に和歌山市園部の夏祭り会場で4人が死亡、63人が中毒症状で重軽傷を負った毒物カレー事件で、和歌山地裁に再審請求を棄却された林眞須美死刑囚(55)と弁護団は3日、棄却を不服として、大阪高裁に即時抗告したことを明らかにした。申し立ては1日付。
即時抗告申立書によると、同事件で林死刑囚が有罪であるとする証拠は「目撃証言のみ」で、その証言は「極めて曖昧なもの」などとし、再審請求の棄却決定は「明らかに証拠の評価を誤ったものであって、失当である」としている。
犯行に使われたヒ素についても、弁護人が提出した鑑定結果は、確定審が有罪の決め手として認めた鑑定を否定するものなどと主張している。