和歌山県高野連(愛須貴志会長)は13日、県立有田中央高校(有田川町)の野球部で3年生部員による2年生部員へのいじめがあり、同校が春季県予選への出場を辞退したと発表した。同日、紀三井寺公園野球場で予定されていた同校と高野山の1回戦は高野山の不戦勝となった。
有田中央によると、9日午後1時ごろ、同校グラウンドで複数の3年生部員が2年生部員1人に対し、横に倒した防球ネットの上に乗るよう指示。2年生部員が乗ったネットを3年生部員2人が運んでいたところ、乗っていた2年生部員がグラウンドに転落し、覆いかぶさってきたネットが2年生部員の左側頭部を直撃し、切り傷で出血した。2年生部員は病院に搬送されたが、翌日から登校している。
事故を受けて学校側が全部員14人に部内の状況を聴き取ったところ、複数の2年生部員から「お弁当を勝手に食べられた」「自転車のチェーンを外された」など、上級生による嫌がらせを訴える声があったという。森勝博校長が監督や部長と相談し、高野連に報告、出場辞退を申し入れた。
森校長は本紙の取材に「昨年の夏に新チームとなってから嫌がらせがあったと聞いており、嫌な思いをしている生徒の立場に立ち、いじめと判断した」と説明した。