生徒に体罰を行い、事後の対応が不適切であったとして、和歌山県教育委員会は17日、白浜町立白浜中学校の男性教頭(59)を減給10分の1(1カ月)の懲戒処分にしたと発表した。
教頭は4月26日、自身が担当していた1年生の理科の授業中、「協力して片付けましょう」という指示に対し、座って片付けていた1人の男子生徒が協力的でないと思い生徒の椅子を蹴り、胸ぐらをつかんで叱責し、手の甲で腹部をたたいたとされる。
教頭は同日1年生の担任や学年主任と相談し、生徒の保護者に電話で、胸ぐらをつかんで叱責したと事情を説明。しかし、椅子を蹴ったことや腹部をたたいたことなどを説明せず、保護者が息子に聞いた話と食い違いがあったことから校長に抗議。校長は教頭への事情聴取の後、町教委に報告。校長と町教委が生徒宅を訪問して事情を説明し、教頭も直接謝罪に行ったが拒否された。
大型連休が明けた7日には男子生徒の在籍するクラスに事情を説明し、保護者会も実施。教頭も謝罪した。男子生徒は通常通り登校しており、理科の授業は別の教諭が担当している。
教頭は当日、男子生徒の様子が普段と違ったため注視していたが、叱責したときは感情的だったと反省しているという。保護者への説明については隠すつもりはなく、胸ぐらをつかんだことが問題だと考えていたためとしている。
教職員の処分は昨年8件10人あり、本年度は1件目となる。