和歌山県警は7月の県内の特殊詐欺被害状況を発表。認知件数は8件で前年と同じだが、被害額は9246万円で前年の430万円から急増したことが分かった。
生活安全企画課によると、8件の内訳は、オレオレ詐欺が3件、架空請求詐欺が4件、融資保証金詐欺が1件で、いずれも60~70代の高齢者が多かった。市町村別では、和歌山市で3件、岩出市で2件、橋本市、田辺市、上富田町で各1件だった。
主な手口は、「風邪をひいて声が変わった」「電話番号が変わった」などと伝えた上で「お金を落としてしまった」「株で損失を出して会社をクビになる」などと言って、親心や良心につけこんで、不安や恐怖をあおり、心理的に追い込む巧妙なものとなっている。
また、「サイトの閲覧履歴がある。連絡のない場合は法的手続きを取る」などのメールや、「総合消費料金に関する訴訟最終告知」などと書かれたはがきを送り付け、「法的手続き」「裁判」などの文言で不安をあおり記された電話番号に連絡をさせ、金をだまし取る手口や、役所職員などを装って電話をかけ、「医療費などの返還手続きはきょうまでです」などと当日限りを強調し、決断を急がせ、ATMを操作するよう電話で誘導する手口も多くみられる。
ことしの7月前の合計で見ると、認知件数は前年より24件少ない33件だが、被害額は4773万円多い1億8251万円となっている。
同課は「自分は詐欺に遭わないと思わないことが大切。誰でもだまされる危険性があることを認識してほしい。自宅の固定電話を常に留守番設定にすることや、非通知の着信拒否、自動通話録音機などの防犯機能を備えた電話機器を設置するなどして被害を防いでほしい。何か少しでも不審だなと思ったら『#9110』または警察に電話や相談をしてください」と呼び掛けている。